りょーこ

否定と肯定のりょーこのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
4.0
ホロコーストはあったのか

それを争った"アーヴィング対ペンギン出版リップシュタット裁判"の映画化作品。

(注)実話なので、後半ネタバレしてます!



アメリカ、エモリー大学でホロコーストについて教えているデボラ・リップシュタット教授(レイチェル・ワイズ)。

1996年。
デボラは、ホロコースト否定論者でイギリスの歴史研究家、デイヴィッド・アーヴィングに名誉毀損で訴えられてしまう。
しかも、イギリスで。。。

イギリスは、被告側が原告の過ちを立証しなければならない為、デボラには不利。
アーヴィングの策略だった。

しかし、ホロコースト生存者、死者の為、デボラは裁判に赴くが……



これはデボラの弁護団達に拍手!!!

もちろんホロコーストで苦しんだ、苦しんでいる人々を救う調査、活動をしているデボラは素晴らしい。
女性でユダヤ人というだけでも、大変なことだったであろう。

ただ、当事者となるとどうしても感情的になってしまう。

そんな彼女を抑え、アーヴィングのクソ差別主義的発言にも熱くならず、冷静に行動して彼女を導いた弁護団が凄い。

皆の前でホロコーストの悲惨さを訴えたい!
と出ていっても、アーヴィングの卑劣な尋問で傷付くだけだと分かっていたのだ。

デボラを説得し、法廷では一切発言させず、傷付くことなく勝利させた彼等は素晴らしい☆


ちなみに事務弁護士ジュリアス役は、大好きなドラマ「Sherlock」のモリアーティ♪
どこか影のある雰囲気が、スマートなキャラクタにしたたかさをプラスしていた!

さらにトム・ウィルキンソンが彼女を支え、嫌味なティモシー・スポールを追い詰める!!

史実としても、映画としても観ておくべき良作でした。
りょーこ

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