若色

君の名前で僕を呼んでの若色のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.1
そういえば夏に観たい映画だったと思い出し鑑賞。
1980年代の北イタリア避暑地。
主人公エリオのおかれた環境は、避暑地とはこうあってほしいという願望が具現化したような場所だ。
テラスでの食事。
母が栽培する果汁園。
暑かったら庭の井戸水を汲み上げたプールや川で泳ぎ、美しい若さを携えた同年代の友人達。
ここに流れるのは豊かな時間だ。
読書をし、泳ぎ、楽器を奏でる。
古代ローマ時代から変わりがないような暮らし。
そんな古代ローマ時代から男色のカルチャーはあり、少年を形どった数多くの石碑は歴史を超えて性的欲求を呼び起こす。 
そこに現れるオリバーは、24歳という大人寄りの若者。対象に子ども寄りの若者である主人公は静かに惹かれ合っていく。
しかし2人はユダヤ教を信仰しており、オリバーの胸元には六芒星のネックレスが光る。
3歩進んで2歩下がるような歩み寄り方で、ゆっくり2人の想いを確認し合い結ばれるが、なんとも愛おしいのは息子エリオを見つめる両親の眼差しだ。
この映画はポスターに映る2人の映画ではなく、両親こそ、この映画で見るべきだと捉え直せる。
若色

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