この映画については他の方のレビューを読んでいただければ大体同じことが書かれているので、そこはあえて触れないでおく。
この映画はもっとポップに描くこともできそうだけど、あえて落ち着いたトーンで抑えきれない情熱と文学的な静かさがなんども波のようにやってくる。
ハッとするような美しいカットや、印象的な台詞回しもあり、そこは「本の良さ」も表現していてよかった。
全編の質感が映画を見るというよりも、文学に浸るような感覚だった。
ゆったりとした空気と、イタリアの夏の暑さと、忘れられない恋心。
父親との会話がこの物語全てをまとめていました。
愛の痛みを知り、自分に正直に生きることがどれほど美しく大切であるか。
主人公はこの夏ですべて学んだのだろう。
数十年後に思い出しては胸が痛くなるような恋。
ノスタルジックで悲しい出来事。
きっとあなたはその世界に引き込まれるだろう。