良かった、映画館全体を上質な空間にしてしまう映画だった
言いようのない、綺麗には割り切れない愛、それに戸惑ったり焦ったりしてしまう、思春期のもどかしさと、子どものような、好きとまっすぐにぶつかって
いける、子どもから大人になる過程の男の子を、絶妙に良い加減で描いていた。
風景も、人物も、音楽も、何を切り取ってもおしゃれで綺麗なのだけど、ところどころで誰もが感じる現実のダルさや気持ちの揺れ動き、それが上手く散りばめられていて、その具合がとても心地よい。
エリオとオリヴァー、キラキラと眩しくて、だけどその裏にある青春のダルさ、そこがすごく好き。
彼らを見守る周りも、包み込むような愛で、心地が良い。
もう一度見たい。