この映画を表現する、どんな言葉も陳腐だと思う。
風景もなにもかも全部美しいし、ティモシー・シャラメくんは美しい上に色っぽくて最高だった。映像としてこの先もずっと残るというのが素晴らしい。
すべてを忘れてしまうのと、なにも忘れないまま手を離すのとどちらがより残酷なのだろう。痛くて苦しくてしんどくて、観てる最中じゃなくて観終って思い返して泣いた。
こういうの、最も苦手とするタイプの物語なのに、影の濃い静謐な家、陽射しに照らされた桃の木、ひんやりとした川、目を見開いて観ていたすべての景色が、まるで体験したかのようにくっきりと胸に植えつけられてしまって、逃れられないのがしんどい。