いぬ

君の名前で僕を呼んでのいぬのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
エリオの音楽が彩る夏の思い出。
語り尽くせない初めての気持ち。
実にじれったい序盤。

歳上の男性に対する憧れ、苛立ち、恋だと気づくまでにほんの少しだけかかる時間。
こんなにも丁寧な心情描写を見せられると、近年の映画はキャラクターの人格を無視しすぎているのではないか?とさえ思ってしまう。

あまりにも暗い室内のシーンは、想像するまぶしいイタリアの太陽とは違うが、自然光の中での景色はどれも美しい。
ただ同性愛をテーマにしているだけの映画とは思えない。

父の言葉、火を見つめるエリオの涙。全てが忘れがたい。

パンフレットが品切れで実に残念である。自分の中では近年のベストスコアを叩き出した一本。
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