U子

君の名前で僕を呼んでのU子のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
感情を抑えて、抑えて、それが溢れ出す瞬間をちゃんと描いてて、後半は私の心も揺さぶられ続けた。とても良かった。
初めは、いかにも鼻持ちならないアメリカ人と言った感じのオリヴァーが徐々にとても繊細な心を持っていることがわかり、
見方が変わっていく。
戦争のモニュメントがある広場で、
エリオが気持ちをほのかめすシーンは秀逸。お互いの気持ちを確認し、自転車で走り出すふたりを引きでずっと撮っている。
その痛いほどの気持ちがより強く伝わってきた。
エリオの両親がまたいい存在だ。
特にお母さんの洞察力はすごすぎる。
フランスの小説をよみきかせ、エリオの気持ちを応援してくれていることを
はっきりではなく、間接的に伝えてくれる。
オリヴァーと別れたあとのエリオにかけた
父の言葉に涙がでた。自分の過去も告白して、子供をここまで包み込んでくれる親ってすごい。
全ての表現があからさまではなく、自然で
ジェームズ・アイヴォリーの脚本はすごい。
アプリコットのシーンもすごかったな。
ティモシー・シャラメのこれからも楽しみ。
若い人は、自分の今をそこにみることができるし、もう若くない人は過去の自分をそこにみることができる。
失われたものを感じて、涙してしまう。
U子

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