Lucas

君の名前で僕を呼んでのLucasのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.8
地元の映画館で公開されず、この映画の存在を知って半年以上待ち続けてやっと観れたとき、オープニングの美しい音楽と映像に感動した。動いてるティモシー・シャラメを見たとき泣きそうになった。

ピアノと北イタリアの美しい風景で流れていくゆったりとした時間の中で、あるひと夏限定の恋っていうのが最高だった。
両親は全てを理解してくれる。エリオのお父さんは素晴らしい人格者だった。1983年という時代を考えると涙が溢れてくる。長い人生のたったひと夏の出来事でも人生を変える出会いがある。「痛みも苦しみも喜びも葬るな」そんなセリフがあった。

幸い私はエリオと同年代だ。これから、過去を葬るような人生を送りたくはない。私はどんな過去もすべてを抱いて”大人“になることがはたして、できるのだろうか。その時この映画を観て気づかされる、エリオと同年代の”今“の私を。その時が楽しみだ。

ラスト、3分半の長回し。Visions of Gideonに包み込まれて暖炉を見つめるエリオの涙。ティモシー・シャラメの演技力にも感動した。ただただ暖炉を見つめ、涙を流す。その3分半で彼は全てを語っている。

ただ全てが美しかった
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