天パーマン

君の名前で僕を呼んでの天パーマンのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
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とても美しい映画だったけど官能的すぎるとも感じた。ストーリーはゲイを題材にしていて、現代だからこそ作られ評価された作品なのだろうと思う。ストーリーを楽しむというより芸術として楽しむもののように思う。ティモシーの表情がとても深くてセリフがなくても顔で語っていた。この映画を官能的にしているのは彼の彫刻のように美しい姿だろう。この映画で彼はオスカーの主演男優賞にノミネートされているが納得できる素晴らしい演技だった。

「君の名前で僕を呼んで」という詩的な表現について作中では意味が明かされていないが、ギリシアの哲学では人間は手足が4本ずつ付いていたがあるとき別れたから人間は常に片割れを探している、というものがあるらしい。故に君は私でもあるし私は君でもあるということなのだろう。
個人的な解釈としては自分の好きな人はその名前も愛しているだろうから相手の名で呼ばれることは幸せなのだろう。しかし、1度目に名前を呼び合った夜と電話越しで言ったこととではきっと意味合いが違う。前者は幸せだっただろうが、後者はエリオが必死に自分を感じて欲しいという魂の叫びのように感じた。

エンディングでエリオが泣いているシーンは色んな感情が交じ合って流れた涙なのだろうと思い、また美しいと感じた。
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