MiYA

パシフィック・ウォーのMiYAのレビュー・感想・評価

パシフィック・ウォー(2016年製作の映画)
3.8
原爆の部品をテニアン島に護衛なしで密に運んだインディアナポリス号の存在がまず興味深いです。もし日本軍が発見して撃沈していたら歴史がどう変わったかを想像するのも一興。

その任務はわりとすぐに終わるのですが、次の任務地に向かう途中で日本軍の魚雷によってあえなく撃沈。乗組員は辛い漂流生活を送るするわけですが、ここではご丁寧にサメまで大暴れ。ニコラス・ケイジ演じる艦長が率いるグループと、無能な士官が率いるグループとで明暗が分かれるところは、まさに「八甲田山」でした。

そして散々酷い目に遭った末に何とか生還できてめでたしめでたしかと思いきや、さらに過酷な展開が。スケープゴートとして裁判にかけられて遭難の責任を負わされ、ついには自殺をしてしまうニコラス・ケイジ。これは辛すぎる。

と、このように戦争の様々な側面を活写した力作だと思いますよ(ちょっと邦題で損してますけどね)。ここ数年ハズレばかりだったニコラス・ケイジ主演映画の中でも、相当秀でた作品ではないかと。
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