ボスであるジョーとその息子エディによって宝石強盗を目的に集められた、お互いの素性はもちろん名前すら知らず色のコードネームで呼び合う６人のゴロツキたち。意気揚々と計画を実行するも事前に情報を得ていた警察により手痛いしっぺ返しを食らった彼らが、不審な顛末に裏切者の存在を疑って疑心暗鬼に陥る様を描いた犯罪映画です。
映画オタクで特にB級映画には目のないクエンティン・タランティーノがついに自分で手掛けるようになったデビュー作で、粗暴なギャングによる禁止用語だらけのワイルドな会話劇を、ビビッドなバイオレンス描写、センス溢れる音楽のチョイス、刺激的な脚本によって意味深で終いにはインテリジェンスすら錯覚させるものへ仕上げています。
彼の作品にしては珍しく2時間弱とテンポも良く、最後には「JINGI(仁義)」で締めるおまけ付きで映画オタクのおじさんを一夜にして鬼才監督へと押し上げました。殴られた記憶もロクにないクセにタランティーノとか言うなという歌も大流行した、世紀末の高揚感が感じられる一作です。殴られた記憶は、、ろくにないです。ごめんなさいσ(^_^;
