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レザボア・ドッグスのserinaのネタバレレビュー・内容・結末

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

ピンクによる「1ドルのチップを払わない」という会話にまあまあな時間をかけるところからスタート。ケチいけど、計画には忠実で自分の弱みは一切明かさないのに、ピンクいやだって駄々こねてみたり、チップ払わないって言ったりとたまに隙があるような素振りは見せる。でも、今回の計画で警察が紛れてるかもと疑った最初の人物こそ彼で、組織内で殺し合いが始まりそうになれば、一人だけ静かに影に隠れて生き延びるっていう正統派悪党。大好きです。ナンバーワンキャラクター。ミスターピンクはシリーズ化してほしいレベルでキャラクター性に惚れ込んだ。

ブラウンって役でタランティーノも登場してて。知らなかったからめちゃくちゃテンション上がったのにまさかの雑魚キャラで秒で死んでほとんど出てこなかったのは笑った。しかもマドンナのシーンはまじでただの変態。あれ演技じゃなくてただのパブで飲んでるタランティーノなんじゃないの?ワンスアポンアタイムかなんかのインタビュー動画で、役者の再現してるとき、迫力あるなって思ってたんだけど、ちゃんと演者側もしてたんだね。

ホワイトの冷静さを装っておきながら何気に情熱くて生粋のベテラン悪党なはずなのに足元すくわれちゃって悲しすぎる最期だったなあ。

ブロンディ(ブロンド)は、血の気ゼロの冷血サイコパス。暴れたって言われてるけど、多分淡々と銃を撃ち放ったんだろうな。このタイプの人間ってどんな極限状況でも震えもせずに叫びもせずにスカしてそうだなって思う。そういう人間こそ、その極限状況に陥る前に不意を疲れて殺されがちだよね。周りからは協調性ないやつとみなされるけど、実は誰よりもボスに忠実で絶対に仲間を売らないやつだったってオチ。本名は作品の中ではわからないが、ヴィック・ベガでパルプフィクションのヴィンセントベガと兄弟設定であること知って叫んだ。

オレンジは、見た目誰よりもベテラン感あるのにまさかのコップ。初っ端に「妊婦だった」「赤ちゃんがお腹にいた」とかわーきゃー言ってたのは、妊婦をなめてたんじゃなくて、妊婦を射殺してしまったことに対する後悔の叫びだったのか...仕立てうますぎて震えた。オレンジが必死こいて暗記したジョーク、まあまあ面白かった。ホワイトに最後まで黙ってることできたのに、あそこで自分の正体を明かすあたり、二人の関係性ってあの短い時間ですごく濃密だったんだろうな。本当にオレンジが悪だったら、ホワイトとオレンジでいいコンビだったのに。にしても、最後はオレンジ生きた?死んだ?どっち!

ブルーの存在感の薄さ(役者じゃなくて、タランティーノが大好きな小説作家で本物の犯罪者らしい笑。まじそういうとこだよね。)

ジョーとエディは好きにはならない。あまりにも情報が少なすぎる。ただ、エディとブロンディは取っ組み合いしてたけど、あれが本当に戯れあってるだけだったとは。エディ的には、ブロンディの死は悲しすぎただろうな。にしても、ジョーはある程度ベテランなはずなのに、直感だけでオレンジを裏切り者って言ってみたり、あんなことで死ぬってまあまあ雑魚くなかった?

全体的に、質の悪いジョークと会話が自分のセンスに刺さったから、観てて楽しかった。そして、なんども観たくなる衝動にかられる。耳を削ぎ落とすシーンもグロさはほぼなし。サントラも聴きたらマジ無敵。
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