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暗黒女子のmaiのレビュー・感想・評価

暗黒女子(2017年製作の映画)
3.6
黒幕が誰かは何となくわかったけれど、最後の方にあれやこれやの点と点が線で結ばれてく…伏線回収がスピード感ある鮮やかさで好きでした(単純な人間なので笑)。
面白かったです。

最初の闇鍋やら、トップに君臨する女子のいる全学女子校やら。もうこの時点で白々しさ満点で、その「ありがち」な設定が胡散臭くて…その胡散臭さが後々の展開のドロドロにいい意味で効いていました。
あといきなり化学名並べ出したり、難しい作品名出したり。
そして今あちこちで見かける女優さんばかり…清野菜名は最近「今日から俺は!」でブレイクし(もちろん前々から人気はあったけれど)、玉城ティナは「チワワちゃん」にも出演していて(最近viviモデルを辞めたばかり?で、方向性を模索中かな?と思うので、是非女優も目指して欲しいです。演技はまだまだだけれど、雰囲気は完璧)、そして平祐奈(小島梨里杏…めちゃくちゃ可愛いので、もっと出て欲しい!)。言わずもがな、飯豊まりえはこういうゲスい役が似合ってしまうし(可愛いしスタイルもいい故のゲス役がハマってる、優等生のイメージが強かったけれど)、清水富美加に関しては流石の演技力です(芸能界を去ってしまったのが本当に惜しい)。
千葉雄大はこんな咬ませ犬?的な役でいいんでしょうか?笑
ここの登場人物は基本的に裏の顔ありきだったので、(男と女の差はあるにしても)千葉雄大演じる先生にも意外と冷酷な部分があるのかな〜とか思っていたら、本当にただ教え子を好きになった先生って役で完結していたので、そこは拍子抜けでした。

飯豊まりえの前半と後半の変貌っぷりが(ある程度予想していたにせよ)キレッキレで面白かったし、こんな役もできるんだ!と思いました。「い・や・だ」と4人に告げるシーンなんか、本当に性格悪くって…笑顔も前半は聖人かよってくらい清々しかったのに、後半の性格悪すぎ!って言いたくなる笑顔に買われるんです…女優としての幅が優等生には限らないのだなと思い知りました。
また清水富美加の役も最後の最後でしっかりと爪痕を残していくんです…中盤あたりの「私語は厳禁」と注意するシーンなんか、笑顔がサッと消えて普通に怖かったです。
そして2人とも高笑いが似合うこと。笑
今まで人の良さそうだった美人だからこそ様になりますね。

原作の良さもあるのだろうし、脚本が岡田麿里さんというのも良いですね!
アニメ作品の印象が強いですし、私も岡田麿里さんが関わったアニメ作品を多くみてきたので(ファンとかではなく、見たのが偶然岡田麿里さんの作品だった…というくらい、本当に多くのヒット作に携わっていらっしゃいます)、期待値大だったのですが、そのハードルを軽々と超えてくる作品でした。
設定が正直(いい意味で)陳腐なので、実写は不向きな気もするのですが、アニメチックなドロドロ加減と予定調和な感じを実写独特の生々しさで描いていて、その絶妙な違和感が好きでした。こんな超お嬢様の典型みたいな学校あるわけないし…と設定にツッコミたくなるけれど、後半からの展開にはツッコむなんてことも忘れて終始引き込まれます。

また、女子高生という若さにも言及してる部分があるのですが、そこも良いです。
女の子の特性をよく理解していて、その内側にあるドロッドロした感情をえぐり出してくる感じが最高に面白かったです。

清水富美加が引退してしまったことで、変な注目を集めてしまったけれど、キャストも脚本も面白くならないはずがない!というくらいには揃っているし、実際映画自体も面白かったです。
是非色眼鏡なしでこの映画を見て欲しいなぁと思いました。

完全なる余談なのですが、Charistma.comがこの映画の主題歌を担当してたんですね。一度ハマったアーティストなので(SEKAI NO OWARIのSaoriちゃんが自身のブログで取り上げたことで一躍注目されたOL兼DJ(当時)のアーティストで、その毒っ気のある歌詞が中毒性高かったです)、ここでまた聴けるとは!と個人的に驚きました。笑
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