マクガフィン

ローガン・ラッキーのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)
2.9
カーレースの売上金強奪をもくろむ兄弟と爆破プロの姿を追うクライム映画。

構造と脚本は、充分過ぎる程のキャラ達の濃さにユーモアやヒネリが効いてい練り上げられている。

ダニエル・クレイグのキャラが特によく、絶対に近づきたくない狂気を感じさせながらお笑いを盛り込み、007のボンドとは別人のような真逆なキャラと演技が秀逸。その兄弟の見た目も喋り方もアホキャラの典型的な巻き込まれ型の設定は見ていて少し痛い。

庶民で個性的キャラが集まって強盗なので失敗と運が微妙に盛り込まれているのが共感で、強奪計画の進行とその成功するカギを握るクレイグの脱獄が並走する構成も好感。

強盗映画ならではの派手さやスピード感がないのが残念で、特に前半は強盗団の厳しい現実の日常生活を掘り下げているのは良いが、キャラに共感できなければかなりの冗長に。
また、全体的に手に汗を握る映画的な映像力に物足りなさを感じ、悪運の呪縛から、もがき逃れようと試みる模様は良いが、オカルト的でコメディなのに笑えないところも。好みが結構分かれる作品なのでは。