マレーボネ

アンチャーテッドのマレーボネのネタバレレビュー・内容・結末

アンチャーテッド(2022年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

アンチャーテッド観た……。
映画としては佳作なんだろうけど、原作ファンの自分からすると正直楽しめなかった。

あんまり「アンチャはこうだ!それ以外は認めない!」とかって厄介な原理主義者みたいなことを言うのも恥ずかしい話だとは思うんだけど、ファンが思うアンチャの良いところがけっこう意図的に排除されてるな、という印象を受けてしまう。

アンチャのもともとのコンセプトは「映画をプレイする」。

画面上から無駄なUIを排除したり、複雑な人間模様とは縁遠い人間的に成熟したメインキャラたちの小気味いい会話でテンポよく進めるストーリーテリングとか、まさに「未踏の地」然とした強烈なロケーションと、それを裏づける壮大な設定を持った遺跡や秘宝の数々。

……というように、映画のような世界に没入できる工夫が意図的にされてるシリーズだと思う。

(UIやプレイの手触りは当時本当に画期的だったし、洋ゲーに触れるきっかけになった人も多いと思う。今でもどのナンバリングも名作なので、未プレイの人にはぜひおすすめしたい)。

ところが今回の映画ではどの要素もその真逆をいっているように感じてしまう。

成熟していない発展途上のキャラクター。
お互いを信用できない、信じるのか裏切るのか、といった安易な駆け引き描写や、無駄に話を複雑にする敵同士のイザコザ。
(サリーは軽率ではあるけど気のいい師匠なんだよ。金のことばっかり考えてあまつさえネイトを騙すなんてありえない)。

ロケーションも都市部中心。

財宝もゲームでは単なる財宝と描写されることはなく、それを追う過程でその財宝にまつわる人間の生き様や陰惨な歴史が垣間見えるのが醍醐味なのに、映画ではかなりあっさりしたただの金塊扱い。

この辺のアンチャをアンチャたらしめる要素が意図的にしろそうでないにしろ、ほとんど排除されてるのは、やはり原作ファンとしては「せっかくの映画化なのに……」と残念に思う。

トムホのアドベンチャー映画として見れば、古き良き冒険もののエッセンスもりもりでおもしろいとは思うんだけど、終始「こんなんじゃねぇんだよ!もっとこう……あるだろう!?」的なことを考えてしまう作品だった。
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