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オアシス:スーパーソニックのmi2ruのレビュー・感想・評価

4.5
オアシスのいちばんキラキラしていた時代のドキュメントとしても最高だったし、音楽ドキュメントとしても最高にノリノリ。であるがゆえに、オアシスの「今」のことを考えると、悲しくて、悔しくて、泣けてきてしまう。。。


オアシス、ある時までは特に思い入れのあるバンドではなかった。


2002年12月に彼らを見るチャンスがあった。ドイツに住んでいた頃、デュッセルドルフでのライブ。しかしこれを見ることはできなかった。彼らがミュンヘンでの暴力事件で逮捕されてしまい、ライブが中止になってしまったから。チケットは払い戻され、おかげでそのカネは寿司になった。正しい日本食に飢えていたのでそれはそれは美味しかった。


でもそこから新しい飢えが始まった。やはり、オアシスを見たい。彼らの身勝手で見ることができなくなったのに、そこで見捨てて他のバンドのファンになればいいのに、何だかオアシスに夢中になってしまった。意地でも、なんとしても見たい、と思ってしまうようになった。


ようやく初めてオアシスを生で見たのは2009年3月の来日時。オアシスとして見たのはこれが最初で最後。前回のこともあり、無事に来日してくれるか、とても不安だった。しかし、ちゃんと来てくれた。無事に来日してくれただけでもうれしかったし、無事に開催され、その1曲目の「Rock 'N' Roll Star」を聴いてホッとし、涙ながらに誰かも知らない隣の奴と肩を組んだ。


結局、その年のフジロックに出演した後にバンドが事実上解散してしまったわけだけど、その後、2012年に、兄弟それぞれが別の日ではあるがそれぞれのバンドでフジロック出演。これを聞いた途端カラダの中のオアシス熱がまたぶり返してしまい、初めてのフジロック参戦。その年はレディオヘッドまで出演するという、奇跡みたいなラインナップだったし、過酷な雨で有名なはずのフジロックで奇跡のような全日程晴天。兄弟それぞれがオアシスの曲をやってくれて、一生忘れられないフェスになった。


フェスに通い始めてもう8年ぐらいになる。世界のビッグアーティストを生でたくさん見るお得な機会。アレもコレも一通り見てきた。もう中年だしカラダも言うことをきかなくなってきたし、もうフェスは卒業しようかな、と思い始めてる。だけど、まだしばらくは卒業したくないな、とも思う。いずれオアシスが奇跡のような再結成を遂げてくれるまではやはりどうしても卒業できないよ。。。


この春、オアシスとして最後の来日になった2009年のフジロックのライブが劇場で上映されるようだ。行っておけばよかったと後悔し続けたあのライブをスクリーンで見ることができるラストチャンスかもしれないので楽しみにしているし、どうせなら歌ったり叫んだりしてOKなライブスタイル上映にしてほしいな、という淡い期待。


最初から最後までニヤニヤしっぱなしだったし、いろんなコトを思い出して泣いてしまう、感情を大きく揺さぶられる映画だった。
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