ドイツ映画祭にて
他人の過去へ立ち入ることの難しさ。というよりそんなことは本来不可能で、ハチミツの空き瓶や使用済みの歯ブラシを通してしか、彼らの人生の一瞬を知りえない。
彼らが亡くなったということが、なによりも彼らがそこで生きていたことを物語ってしまうという事実。死を含めて、彼らは「そこで」生きていたのだった...
「これがあなたの人生」という言葉は、誰かの死への決意(生への決意)も簡単に妨げることはできないことを意味する。そもそもそれは不在の死者にも言える言葉なのかどうか。
もっと慎重に描かれるべきだと思ったし、これ以上慎重になる必要はないとも感じる。なかなか難しいが、言葉や映像はまだまだ追いつくことがない。