まぬままおま

満月の夜のまぬままおまのレビュー・感想・評価

満月の夜(1984年製作の映画)
4.2
エリック・ロメール監督による「喜劇と格言劇」シリーズ第4作。といっても「喜劇と格言劇」シリーズはこれしか観れてない。

生真面目なレミと遊びたがりなルイーズは同棲している。しかしルイーズが生活に息苦しさを覚えたため、パリで一人暮らしを始める。そこから物語が展開する。

「二人の妻を持つ者は心をなくし、二つの家を持つ者は分別をなくす」

この格言の通り、ルイーズは分別をなくし、レミは心をなくす。

ルイーズはレミに女をつくってもいいみたいなことをいう。レミはその通りルイーズの知人に恋をし、付き合い、ルイーズに別れを切り出す。
なんかこの展開が悲しいなと。ルイーズがこういうこというのって、レミが絶対そういうことできないひとって分かってるからで、また自分の優位性を自覚しているんだよな。それにも関わらずレミに裏切られるのつらい。

ラストシーンではルイーズがレミに別れを切り出され、涙ながらに出ていくのだが、出ていく前に男友達に会う約束するのが笑っちゃう。人間のどうしようもなさが見事に描かれている。

蛇足
レミが自宅に飾っている絵は、ピート・モンドリアンの「赤・青・黄のコンポジション」。レミの性格を体現しているようで素晴らしい。