このレビューはネタバレを含みます
ロメールの描く男女は与えられた役割をこの上なく的確に果たしそれに応じた的確な台詞を吐く。
本作でのパスカル・オジェは彼氏と同棲しておきながら自由に放浪して色んな異性と遊びたい、という男の敵のような女ながら実は一途という両面性を持っていて現実に心当たりがあり、個人的にあるあるを通り越し居心地悪ささえある。
時代に関わらない男女の本質を見抜き役割を与えるロメールの天才性が底知れない。
モンドリアンを基調としたインテリアやマフラーが際立つファッションなど、彼の作中でもとりわけ都会的オシャレさが光るのは、パスカル・オジェ自身が美術を手掛けた事によるようだ。夭折した才能が悔やまれる。
ロメールの撮影はレナート・ベルタではなくアルメンドロスがやはりしっくり来る。