映画の味方あっつマン

笑う故郷の映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

笑う故郷(2016年製作の映画)
3.9
ノーベル文学賞を受賞した作家ダニエルは、取材や講演の依頼が引っ切り無しに舞い込むが、ことごとく断っていた。ある日、故郷アルゼンチンのサラスという町から名誉市民賞授与の知らせを受ける。30年以上スペインに住んでおり、戻らないつもりだったが、帰郷を決意する。しかし、そこでは意外な展開が待ち受けていた——。

東京国際映画祭(TIFF)2016で「名誉市民」の邦題で上映されていたが、時間が合わず観ることができなかった。以来、上映情報やレンタル情報を待っていたのだが、題名変更のトラップに引っかかり、けっこう長らく情報がつかめないでいた。

故郷には、故郷のルールがある。住んでいたときは、当たり前の様に思っていたが、一度外に出て何年も暮らすと、また違った見え方になるのは、よくある事だ。

特に有名人になれば、なおさら、帰郷したときの印象は変わりそうだ。本作の新しい邦題は、「笑う故郷」だが、この笑いは、故郷に対するほのぼのとしたコミカルな笑いではなく、かなりシニカルな笑いだった。もはや、冷笑とも言える。

これから本作を観る人は、元々は「名誉市民」というタイトルだったことを踏まえて観ると、より分かりやすいかもしれない。このタイトルは、原題の直訳でもある。