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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のまるのレビュー・感想・評価

3.8
幻の名作が25年ぶりに復活、という事で気になっていた話題作。
公開当時1991年のアジア映画と考えると本当に凄いし色々な映画に影響を与えたんじゃないかと思う。
あと比較的最近の作品と親和性が高そうに思い、古い映画だって事を忘れて観てた。

ただ四時間はやっぱり長かったな。
体感では二時間半くらいだったけれど、長い映画が好きかと言われたらそうではない。
でも主人公の取り巻く環境を丁寧に、できる限り描き尽くしたかった監督に凄く誠意を感じる。
描くにはあまりにも混沌としてる時代、とも思ったけれどそういう時代ではなくても、人の感情って複合的だからその尺は正しいことだと思う。一つの大衆作品として正しいことかはわからないけれど、芸術作品ではあると思う。

日本でいうヤクザのようなグループ対立、入植問題、恋・友情・家族、アメリカへの憧れ、政治・軍事、思春期・学校。
同じアジア人として一度観れて良かったけれど、リピートのハードルは高いかな。
でも美しいカットを眺める写真集とかあれば見飽きなさそうなので、あったら欲しい、というか作って欲しい、と思いました。
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