このレビューはネタバレを含みます
すごい。
4時間近くあるのに、全く飽きさせない画面と編集だった。
戦争の爪痕が残る鬱屈した時代の台湾を舞台に、ガールフレンドを殺害するまでに至る少年の心を描く。
日常と非日常をシームレスに移動するよ…
鬱屈とした少年たちの群像劇。現状維持に抗っているかのように、何かコトを起こさねばと焦っているかのように見える。焦燥感や破滅に向かっていく少年たちの危うさが全体を通して漂っている。
周囲の視線や音で状…
登場人物の多さ、画面の暗さゆえに理解するのがなかなか難しい。
日常と突如襲い掛かる非日常のようなものが妙にリアルで生々しい。
出来事一つ一つは余韻を残すことなく過去のものとなってはいくんだけど、積…
1960年代の台湾で起きた殺人事件をモチーフにした映画。中国から台湾へ移民した外省人家族の下育てられる小四の将来への不安が終始表現されていた。受験の失敗、不安定な家族、劣悪な学習環境、思い通りになら…
>>続きを読む2回目。英題と邦題で受ける印象は真逆なのだが個人的には二つで一つというのがしっくりくる。それは懐中電灯では照らしつくせない巨大な闇と同時に、この映画には青春のみずみずしい歓びの光も等しく確実に存在し…
>>続きを読む台北を歩いていると、おしゃれな街並みのすぐ裏手に、タイムスリップしたかのような景色に出会う。この映画からは、その時の街の匂いとか、砂埃とか、ヤクザものたちの喧騒とかがムンムンと漂ってくる。
龍山寺…
『牯嶺街少年殺人事件 』(1991)
原題:牯嶺街少年殺人事件 A Brighter Summer Day
1960年代の台北。高校の夜間部に通い、不良仲間らとつるむ少年が、保健室で女生徒と出会う…
どんなに光を当てても陰が残り、影を落とす。では逆に暗闇から光を見出せないのか?小明に起きろと叫ぶ小四に最後の光を求める姿を見る。光あれば即ち死がそこに。受験、学校、撮影スタジオ。体制/システム内でし…
>>続きを読むちょっと凄すぎる。
劇映画ではあるので、当然カメラは主人公の小四を追うのだが、各ショットは彼の物語を説明するのではなく、まず現実がそこに存在しており、その中に彼の人生が事後的に見出されるような描き方…
©1991 Kailidoscope