牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版の作品情報・感想・評価

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版1991年製作の映画)

Gu ling jie shao nian sha ren shi jian/A Brighter Summer Day

上映日:2017年03月11日

製作国:

上映時間:236分

4.3

あらすじ

1960年代の台湾・台北。夜間中学に通うスーは不良グループ・小公園に属するモーやズルらといつもつるんでいた。スーはある日ミンという少女と知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ・軍人村のボスと、ミンを奪い合い、相手を殺し姿を消していた。ミンへの淡い恋心を抱くスーだったが、ハニーが突然戻ってきたことからグループの対立は激しさを増し、スーたちを巻き込んでいく。

「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版」に投稿された感想・評価

❮WOWOW❯ 
 
26年ぶりの再見。当時のパンフレットまだ持ってる。
ERI

ERIの感想・評価

4.4
236分の超大作「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」を日曜日の朝早起きして観た。約4時間もあるのでややひるみつつ、傑作と名高い本作をめちゃくちゃ楽しみにしながら鑑賞開始です。

観終わって236分ひとつも無駄な場面がなくて驚く。光も闇も構図も全てにドキドキして、そしてうっとりする。美しすぎる。なんだ。

1961年に実際に起きたガールフレンド殺人事件を基にして作られているらしい。

映画は1991年の作品で、本作でチャンチェンはエドワード・ヤン監督に見出される。

1960年の台北の暮らしがとても丁寧に描かれている。夜間学校に通う主人公のシャオスー(小四)は不良グループのワンマオと仲がいい。父は1940年、50年に大陸から追いやられ、この台湾に行き着いた世代。

階級格差や貧富の差を露骨に感じ鬱々としているそんな社会の情勢や親の苛立ちを、10代の多感な中学生たちは感じ取り同じ様に鬱々としていた。学校でも大人たちは笑わず、生徒をあらゆる事で統制しようとする。


本作で描かれる1960年代の台湾を、私は2018年に観る。当時のそれには、今みたいな漏れ溢れる情報なんてなくて、人間が本来持つ、悲しみ、苦しみ、切なさ、相手を求める感情がいたるところに佇んでいて、ある意味とても羨ましかった。沢山のスペースが僕と君の感情だけで埋まってくんだなぁと。それはとても危ういのだけど、ヒタヒタと浸透していく様な10代の純粋さが眩しすぎて、なんとも言えない感情になる。

ある時シャオスーは保健室でシャオミン(小明)と出会う。足の怪我をしているシャオミンをそっと隣で歩きながら見守るシーンは瑞々しくてそれだけできゅんとする。見回りに来ていた先生から隠れて2人は校舎を抜け出し、映画の撮影を覗き見していた。シャオスーとシャオミンが話しているシーンも声を入れず遠くから撮っていたりと観客の心をくすぐる撮影技法。話してる人の顔を大胆に映さない時もあったりで、新鮮で圧倒的だ。

抜け出した帰り道2人は不良グループに絡まれる。シャオスーはどんどん彼女に惹かれていくけど、シャオミンは小公園で溜まってる不良グループのボス、ハニーの彼女だった。ハニーは行方不明で様々な噂が飛び交っていた。シャオミンを守るために人を殺して逃げたとか、なんとか。

時々、シャオスーとシャオミンは学校帰りに落ち合いなんて事ない話をする。シャオスーはシャオミンをどんどん自分のものにしたくなってゆく。

少しして、ハニーが学校に戻って来た。南部に滞在していたというハニーは台北の不良グループの学生と違って妙に大人びていた。ハニー217とのいざこざの後、ジャンドン(山東)に車ではねられ殺されてしまう。

僕はいう、君を守ると。



抗争は次々に起こり、血は次の血を呼ぶ。学生の手には負えない領域にまで及んでゆく。

日常に返って部屋、プレスリーの音楽をテープで流しながら歌どりしてるシーンやカウボーイハットをかぶって銃を撃つフリをして振り返るとシャオミンがいるシーンとかめちゃ好き。混沌と静寂、そして優しさが毎日の中に織り混ざって、行き着くところは君が好きだということ。実はそんなシンプルなもんだったんだ。


ねぇ、この間言っていたこと、本当?



シャオスーは医務室の教官に乱暴な口を聞いたことが理由で、職員室で指導を受ける。迎えに来た父と自転車を引きながら歩き、夜間部から昼間部への試験に挑戦すると宣言する。未来は自分で変えると。

シャオミンの本当を知ってシャオスーは決意していく。シャオミンは自分の不安を埋める様に男の子の中に飛び込む。そのことがシャオスーには理解できなくて悶々としていく。夜の中には正しく生きる光が見つけにくくて、懐中電灯で照らしただけのそんな小さな光じゃ飲み込まれてしまう。

ずっとずっと直そうとしていたラジオはあんなに修理しても直らなかったのに、引っ越しの片付けの最中、転がった衝動で直った。

人生とはわからないものだ。

——
先に父役のチャン・クオチューが決まっていて、なかなかシャオスー役が決まらずにいたところ、息子が同じ年ぐらいだということで監督に会い出演することになったそう。当時14歳の彼は演技経験もほぼなかったというが、存在感はすでに健在で単純に息子だったからなわけではなくて、とても魅力的。その後トップスターになっていくのも頷ける。シャンスーの友だちワンマオを演じたワン・チーザンも可愛い。そしてシャオミン演じるリサ・ヤンの少女性もぴったり。
SET

SETの感想・評価

3.4
ずっと見たかった映画だけに絶対に面白いだろうと構えて見てしまった。
埃の饐えた臭いまでしそうな退廃的な雰囲気はさすがに大好きだけどそれだけ。長いしだるいし苦痛だった。登場人物も好かん。
まほに

まほにの感想・評価

3.5
台湾の当時の不安定さや難しい年頃の不安定さを色々感じられて良かった
ただ名前と顔を一致させるのに苦労した
繰り返し観て理解を深めたいけどこの長さは…
映画館で観たので、さすがに腰が痛くなりました。
作品としては良かったと思います(少し長すぎますが)。純粋さや儚さ、切なさに加えて脆さ、残酷さを持ち合わせるような10代という年代をよく表現していると思います。青春映画です。
花子

花子の感想・評価

3.3
今にも君の前にはもっと素敵な女性が現れるよと、泣きながら小四の肩を揺さぶってあげたい。
苦行のような4時間。残念ながらこれを傑作だと高らかに叫ぶほどの洗脳には至らなかった。
Ryosho

Ryoshoの感想・評価

-
同じ顔ぶれ。どこかへ旅するわけでもなく、環境が大きく変化するわけでもない。ほとんど同じ景色で時間が過ぎてった。
それは退屈といえば退屈だ。

人は見分けつかなかったが、建物や部屋はハッキリと区別できた。印象的だ。
湿ったやりとりが行われる職員室の外にある緑は爽やかに青く映った。

アスファルトのない道をひたすらに歩くのは気持ち良さそうだ。
nagaoshan

nagaoshanの感想・評価

4.8
エドワード・ヤン監督作品‼️

午前10時の映画祭にて『七人の侍』をやっと劇場鑑賞して感激の余韻も束の間、えーいい🤨本作もいったれ!
って事で…

観るタイミング逃して放置Blu-rayを開封…

ビビるくらいのド傑作‼️でした(^-^)


お客様から本作の魅力を聞いてました。
曰く、「当時、レンタルビデオ屋で5本、千円で毎週色々な映画を借りててんですよね〜牯嶺街少年殺人事件は2本組で借りちゃうと後3本しか借りれないんで損した気分なんですが、何回借りたか忘れるくらい牯嶺街少年殺人事件だけは借りちゃうんですよ、面白いとか何が凄いとか分からないんですけど登場人物も多くてほんと難しいんですけどただ、ずっと画面を眺めて満足してる自分がいるんですよ…」
なんだかよくわからないですけど、取り敢えず、登場人物は解説書に書いてあったので、暗記して臨みました!(◎_◎;)笑

家族との絆、仲間達との絆、初恋、自分の未来への不安、思春期の葛藤…
エドワード・ヤン監督の見事な演出、カメラ・ワーク、編集…

暗闇と光が画面いっぱいに広がり、少年達の笑顔と心に巣食う闇が痛い…

嗚呼、『早春』の如く永遠の初恋に泣き…

リトル・プレスリーの録音テープに胸が
張り裂けそうになり…

放心状態で観終えた3時間56分…

お客様に感謝して感想を伝えたいと思います( ^ω^ )

良か映画!
これぞ映画の中の映画!ザ・映画!

長時間だから相当暇も潰せる。映画は長くてナンボ。観る前と比べ、爪やヒゲが実感できる位に伸びている。手間暇や金がかかったから傑作じゃーっとアピールしている。

登場人物が多く、名前が漢字ニ文字で顔も似ているから誰が誰だかよくわからない。そんな煙に巻くところが名作の証!

そして、とりあえず、少年の繊細な心の動きに胸を締めつけられた、カメラワークが凄かった、魂が震えたとか言っておけば、映画通の仲間入りができるのではと思わせる作品が本作だ!

こっ、これは間違いなく名作だ!凄いぞ、バッキャロー!
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