ななめまえ

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のななめまえのレビュー・感想・評価

4.3
長尺に尻込みしつつ、漸く鑑賞できました。
しかし事前情報どおり、始まるとスッと世界に入り込んで全く長さを感じませんでした。
まるで文学作品のようにその世界に入り込んで一緒に生き、彼らと共に生活しているような感覚。
当時の情勢や文化を肌で感じる事が出来て、時にユーモアに富んだ、時に緊迫した日々を過ごしました。
お茶に対する拘りが随所に感じられましたね。意識が高いです。
吹奏楽の音が響く中で、小四が小明に「友達になってあげる!」と叫ぶところは、眩しい人生の瞬き。あまりの甘酸っぱさに胸が高鳴りました。

周囲の感情を思えば居た堪れない所もありますが、この作品を鑑賞している間、充足した時間を過ごせました。
観られて良かったです。