陣内栄

ポエトリーエンジェルの陣内栄のレビュー・感想・評価

ポエトリーエンジェル(2017年製作の映画)
4.7
岡山天音さんの演技の自然さと気だるげさにとてもリラックスして見れる作品だった。脇を固める俳優さんたちの演技も一つずつが素敵だった。そして個人的なハマりポイントは"吃音"へのスポットだった。今まで英国王のスピーチくらいしか"吃音"が取り上げられる映画を知らなかった。吃音の女子高生が自分の過去と向き合いながらスピーチをする場面は自分も一緒になって涙が出た。自分の職場にも吃音の子どもがたくさんいる。後天的に吃音になった子の中には消えないトラウマやPTSDと戦い続ける子が多い。そんな中、人前でしかも"詩のボクシング"という突飛なシチュエーションで自己開示をする女子高生の姿はかなり輝いて見えた。

「詩」という場所で妄想癖を消化しようとする主人公が、「詩」を通して現実と向き合う。また詩のボクシングが新たな自分の可能性を引き出していく。登場人物たちの魅力を引き出す詩のボクシングはツッコミどころ満載ながらも、すごく面白いアイデアだった。
また人との繋がりが自然と主人公を変えていくところも良かった。特別なことだけが人を変えるんじゃないんだと勇気を与えてくれる。Amazonプライムの終了間際にこの映画を見ることができて大満足!
陣内栄

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