陣内栄

アクアマン/失われた王国の陣内栄のレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
5.0

中盤で everything I needが聞けた喜びと、born to be wildの勇ましさとdeep endの壮大さが最高だった。アクアマンの魅力はエンドロールまで音楽で楽しませてくれるところだと思う。

前作でアトランティスの王となったアクアマンことアーサー・カリーが王としての職務と子育てに奮闘する状態から幕を開けた。狙われた王家の血、オームの追放、兄弟の再生。簡単には語れないほど濃い内容になっていた。てんこ盛りなのに分かりやすく、展開の予想もつくのに面白い。ヒーロー映画でここまで笑って感動して楽しめるのは監督、俳優さんたちの手腕たるものだろう…

アクアマンが地上とアトランティスの国交を結ぼうとスピーチを行うラストシーン。世界はどんどん変わっていき、一人ひとりがいろんな役割を担いながら生きることになる。揺るがない自分と、柔軟に住み分ける自分が必要となる。そうすることで他者と手を取り合い未知なる恐怖や試練に立ち向かうのだ、と。
そう語るアクアマンも、ヒーロー、王、父、夫、兄弟、隣人、友達、色々な役割や顔を持って自分の使命を全うしている。まさに分人主義の世界が始まっている。彼のようなロールモデルがいればこれから先も怖くないような気がしてくる。身近な存在として寄り添ってくれるヒーローはやはり良いなぁ。
陣内栄

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