EDDIE

アウトサイダーのEDDIEのレビュー・感想・評価

アウトサイダー(2018年製作の映画)
3.9
「カンシュー!タスケテー!」
そのひと言から彼の人生は一変した。踏み入れたのはヤクザの世界。兄貴分の清以外とは打ち解けられない中、ヤクザの抗争や裏切りの中で確実に地位を掴んでいく。そして驚くだろう。レトが瞬速の抜刀術の使い手であることに。

〈ポイント〉
・ジャレッド・レトの頑張る日本語がたまらなく愛しい
・それでいてヤクザとしてのスーツの出立ちがカッコいい
・全編日本ロケを敢行!いわゆるハリウッドのとんでも日本描写は皆無
・ちょっぴりお色気シーンもあり
・椎名桔平の悪役が似合う
・レトと浅野忠信の“兄弟”としての絆が熱い
・ヤクザ、チンピラならもってこい!奥野瑛太ここにも登場!

〈雑感〉
最近突如Netflix内のランキングが上がっている本作。
ジャレッド・レト主演『モービウス』の公開効果でしょうか?
ヤクザもの結構好きなのと、メインキャストが日本人で固められていることもあり、ハリウッドがキャスティングする日本語の下手な日本人がいないだろうという期待を持って鑑賞に臨みました。

いやぁ面白かった!
全体的にさほど評価も著しく高くないわけですが、個人的には自分の好みにガッツリハマりました。
ヤクザの世界の盃を交わしたら死んでも守る、という親の思いや兄弟の絆の深さ。
胸が熱くなる想いでした。
何よりも完全に“余所者(よそもの)”であるレト演じるニックを、刑務所で縁のあった清以外はあまり良く思っていないわけです。
しかし、田中泯演じる親父である秋弘に認められたことで、組員からの尊敬すら勝ち得たニック。
家族となり、兄弟となった瞬間には気持ちが昂りました。

正直ヤクザの世界の指を切り落とすとか、そんな“落とし前”の付け方には疑問を感じる私ですが、映画の世界ということでそれを良きものとして脳内変換することで前向きに捉えることができました。
あくまで私の映画の見方ですが、郷に入りては郷に従え。現実世界では認められないものでも、その映画の設定上話が破綻せずに物語に絡んでくるのならばその演出は基本的に賛として前向きに捉えるようにしています。
せっかく2時間という貴重な時間を使うわけですから、楽しく観れた方がいいよねっていう心持ちです。

あとは忽那汐里演じる美由との関係性ですよね。
2人は当然のように恋に落ちるわけですが、彼女は兄貴分である清の妹。しかも清は妹を本当に大切に思っており、彼女だけはヤクザの嫁にはしたくないという強い意志があります。それをニックにも伝えました。
いやぁそれも清とニックの関係性だからこその美由との関係がすごく切なくも愛おしく感じられたんですよね。

役者絡みでいうと、安田大サーカスのHIROが出演していたことに驚き。
しかも結構上手い。ヤクザならではのドスのきいた話し口調も様になっていました。
最近は何してるんでしょうか。またスクリーンで観れたらいいなぁと思うぐらいには彼のポテンシャルを感じた次第です。

〈キャスト〉
ニック・ロウェル(ジャレッド・レト)
清(浅野忠信)
オロチ(椎名桔平)
美由(忽那汐里)
秋弘(田中泯)
ポール・バウアーズ(エミール・ハーシュ)
アントニー・パネッティ(ロリー・コクレーン)
タケシ(YOUNG DAIS)
サトル(HIRO)
コウ(奥野瑛太)
エイイチ(地曵豪)
ケンタロウ(三浦誠己)
バンジョー(清水尋也)
リョウ(淵上泰史)
白松組組員(冨永竜)
白松組組員(聡太郎)
勢津ヒロミツ(大森南朋)

※2022年自宅鑑賞73本目
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