たや

羊の木のたやのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.5
元殺人犯たちが極秘プロジェクトで過疎化された町に住み始める。
この設定にゾクゾクしていてようやく鑑賞しました。

まず『極秘プロジェクト』って響きが好き(笑)

でも作中に極秘感がない…もっと極秘感出してよ、そこからストーリー発展させてよ、と途中まで思っていました。

ただ途中からようやくこの映画のテーマを知ることになりました。
この映画は、元殺人犯という肩書きをもった6人それぞれの生き方の話。
こう書くとどんな映画なんだろうと思いませんか?

でも、想像通りの6人でした。
ヤクザの抗争で殺人を犯してしまった人は、カタギになり更生しようとする。(わかる)
殺すつもりもない人が殺人を犯してしまい更生しようとする(わかる)
出所しても尚やばい奴がいる(なんとなくわかる)

こんな感じで「わかる」ことの説明が続いているように思って見てしまいました。
もし、このわかるエピソードにもっと共感させるなら、その過去のシーンを深く描いてくれなくちゃ…
殺すつもりもない人が殺人を犯してしまった瞬間の映像を見せてくれないと…言葉で説明させるなら映画の意味あるかな。
元受刑者の気持ち、自分は元受刑者だからわかる、というシーンがあるのですが、浅い。もっと繊細な心理変化あるはずでしょ。受刑者の気持ちわかってあげられる人のシーンってけっこう大事なところだと思うんだけどなぁ。

映像と表情を暗くして不穏なBGMが続くのが嫌。
この人には裏がある感いらないと思うな。極秘プロジェクトってこともあるし、元受刑者を生活にそっと溶け込ませてこそリアルな感じで面白く見えると思う。
たや

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