たや

万引き家族のたやのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.9
タイトル通りの万引き家族。ただ店の物を奪うという万引きだけでなく、大事なものを捨てた人がいて、それを拾って大切にしているという意味で万引きしている家族なんだなと感じました。

印象的なのはラスト付近の取り調べ、特に安藤サクラのシーンには監督の強いメッセージが込められていたように思います。
悪い方が良い方、良い方が悪い方に見える逆説的な見せ方をしながら、結局答えは常識に引っ張られていき何が正しいのかわからなくなる安藤サクラは見応えあるし個人的なベストシーンです。

人間の感情は機械じゃないから0か1ではない、大切に感じていてもそれが表現できないこともあるし、大事なものが何かわからなくなるときもある。
そんな完璧じゃない人間らしさを随所に感じられる映画でした。

是枝監督の自分の得意分野で真っ当に勝負する感じ、好きです。
たや

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