空衣

共に生きるの空衣のレビュー・感想・評価

共に生きる(2013年製作の映画)
2.9
動物にも知覚があるのに彼らを食べたり着たりするのはおかしい、という感情や倫理に訴える面だけでなく、
家畜にエサとして与えるよりも人間が植物性タンパク質を直接摂取した方が効率的だし、飼育費用がかからない、などヴィーガンになるとこんなにも合理的、という意見が出てくるあたりとにかくドイツらしかった。

肉食している人たちに対してベジタリアンになることを主張する構成にはなっていない、と感じた。却って距離を生みそう。

ベジタリアンになったら、日本で生活できない。たとえばドイツの学食ではベジタリアン向け定食も毎日用意されていたり、そういう食品やレストランの扱いも多い。パーティやるならベジタリアンもいることを想定したメニューになる。意識や文化の差が、こんなにあったのだなーと。ベジタリアンになるかならないかは自由でいいと思うけれど、どっちかを強要する環境は苦しい。

動物以外にも範囲を広げて「他存在を傷つけない」ことは、ハッキリ無理だ。言い出したらキリがない。草をふみ殺してしまうから外出はやめるべきだし、微生物を吸い込んでしまうから息はしないべきだ、とか。傷つけながらしか生きられない。
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