ぶたぶー

ムーンライトのぶたぶーのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
5.0
クリーンヒットした。めちゃくちゃ好きな映画。

途中でハァ〜😩しんどいなぁ〜😩ってでっかい声出た。浜辺のシーン。

音楽と画がすごく良い。好き。あの救われるような弦楽器。
割と音楽が少ない代わりに、場面と状況がしっかりした理由の上で効果的に使用されているように感じた。

画面と音楽で引き込まれて、言葉も少ないまま展開していくけど表情や画面、音楽ですごく人物を描写してくる。
心が持ってかれて、自分の筋肉を動かすこともだるくなるようなこの重さが良い。

母親と面会して話す時、完全に突き放すことはできずに座り直して話の続きを聞いてあげるところに、シャロンのどうしようもなく優しすぎる根っこを感じて目頭が熱くなってしまった。

少年〜高校生時代の不安定な音出しとかチューニング前みたいな音楽が、まだどう成長するか、どう成長して良いかわからない、サナギの中のドロドロとした中身のような感じを思わせた。

声を大きく語る映画でないのに、静かに淡々と進んでいるだけなのに、魅力的な画面や表情や音楽で心の機微がすごく浮き彫りにされていた。

問題を完全に解決するための話ではなく、その状態で悩みながら懸命に生きていて、時間が過ぎて、その中で人生が確かに進んでいく話だった。