作品集

ムーンライトの作品集のレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.6
月明かりが照らす青さ
      でもその思いは消えない。

シャロンの幼少期 少年期 青年期を描く
周りにいじめられ、親には愛されず
そんな中唯一の友達ケヴィン
そしてたまたま出会ったフアンという売人
この2人とシャロンとの人生を描く。

まず、母親が言ってた。
【あの子がいじめられる理由がわかる?】
が疑問点
細いから?ナヨナヨしてるから?
【スキニーパンツだな!】みたいな台詞もあったから、
細いと男じゃねぇ!みたいな価値観があったのかな?
そんな環境で育ち、
自分はゲイかもしれないとシャロンは思ってしまったのか。
でも、その環境がなければ
ゲイという自分と向き合うこともなかったのかも。
とりあえずおかまって言ってはいけないということがわかった。


世にある矛盾をうまく描いてる。
フアンはシャロンと出会い、
シャロンが抱えている悩みは、
母親である。とすぐわかった。
そんなある日、フアンはその母親が
自分のヤクの客であることに気づく。

【お前母親やろ!】っていうんだけど
説得力ない。
だって売ってるのフアンだから。
でも、それを売らなきゃ仕事がない。

やめたいけど、ダメだと思ってるけど
やめられないフアンのやりようのない
モヤモヤが画面から飛び越えてきた。


母親はヤク中。
自分は男と遊び倒し、
幼少期や少年期のシャロンには、
【今日は客が来るから帰ってくるなよ】と言い放つしまつ。

大人になったシャロンに、
【ごめんね。あの時。
私はあなたの愛がほしいタイミングで愛を与えなかったから許さなくていいよ。】っていう。

ずるい。

シャロンは許したけど、
僕も許すだろうけど、

ずるいとは思ってしまう。
僕はその気持ちをぶつけると思う。
シャロンはそれをぶつけず、
今の頑張ってる母親を見て、
何も言わず抱きしめた。

なかなかできたことじゃないと思った。


誰もいない空間に何かがあるように思わせるA24の不思議な世界観

自分の中でいいなぁと思ってるけど、
今すぐみて!とは思わない。
でもいつか観てほしい。
評価に悩む作品でした。
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