このレビューはネタバレを含みます
脚本と設定〜
登場する白人の数はおそらく4人程度で、店に座ってる人と通りがかりの人だけ。
今まで如何に白人映画ばかりを見ていたのだと感じさせられた。黒人の生活感は去年見たストレイトアウタコンプトンよりよく感じれた。
3つの時系列の間を大胆にカットしたのもとても良かった。
〜演技〜
3つの時系列で主人公の少年青年期の顔の骨格が似ていて、びっくり。演技は青年期が個人的なベスト。
アカデミー助演男優賞を獲ったマハーシャラアリと母親役ナオミハリスの演技が素晴らしかった。
〜撮影〜
最初見た時のカメラの揺れっぷりと被写体との超至近距離、ピントが1人にしかあっていないという状態に思わず酔ってしまうんじゃないかと思った。酔わなかったし、不思議と雑には感じなかった。
大胆で斬新な撮影と、音楽、青さ加減がよかった。
〜主題性〜
ゲイや黒人の貧困さを描きつつも、そこまで見るに堪えないシーンはなかった。
彼らの心の機微から、哀しさ(成長と傷の痛み)に触れられた気がする。
"周りに流されるのではなく、自己の意思を大切に生きなければならない。そこには愛が必要なのだ"と。