このレビューはネタバレを含みます
・助演男優賞とったマハーシャラアリの演技、キャラクターか抜群に良い。ドラッグディーラー(をやらなきゃ生活できないという貧困)の仕事をしながら、ドラッグに溺れてリトルを虐待する母親に対峙するという葛藤。泳ぎのシーンも秀逸。
・リトルが大人になってムキムキのドラッグディーラーになったという意外性も良い演出だった。金色のアクセサリーつけて高級車に乗ってても、(いかにも女遊びしてそうなギャングという出立になっても、)内面のナイーブさ、青年期の男性との恋愛というのを引きずっているという二面性が物語に複雑味を与えていた。また、成り上がるためにはバスケ選手かラッパーかドラッグディーラー(母親と自分を傷つけ、フアンの命を奪った)になるしかないという黒人貧困層の構造的問題も感じた。
・一方で、キモになる旧友との恋愛描写がやや性急、唐突だった印象。
・LGBT、貧困、ドラッグの問題を正面から描いたのは称賛だが、ストーリーとして退屈さを感じるシーンもいくつかあった。
