このレビューはネタバレを含みます
大学で研究をしている北野先生と、さわの不倫のはなし。
さわが「いっそ死んでくれればいいのに」って言ったのも、妻が脊椎を痛めたというところや、車で送っていくというところもオチが見え見えだった。なので不倫の話ではあるが、あまりドキドキはしなかった。
遺体安置所のシーンでは、警察が「妻」を強調したり、遺体は妻の元へ引き取られるなど、戸籍というものの重たさを感じる。
さわも死ぬのかと思ったら死ななくて少しがっかり。どうせならあの世で2人で幸せになれば良いと思った(彼らの関係は後追い自殺するくらいで無ければ、どこからも祝福されないのではないか)
お腹に新しい命が宿っていたようだけど、離婚も出来てないのに、そういうことまでしてたなんてやっぱりこの2人は浅はか。そして、不倫相手の子供を授かって最初からシングルマザーになるのに「私を強くしてくれました」とはなんともおめでたい人だなと思った。それくらい頭がお花畑でないと不倫なんて出来ないかな…という意味ではリアリティがあって良かった。
演出は、電車の信号や指輪を蛍の光に見立てようとしたのはなんとなく分かるけど、ちょっと無理矢理感があるような気もする。
1番最後の、北野先生に似た子供とさわに似た子供は一体何を表してるのか…
指輪を渡せたよってことなのか、さわの子の将来で家に帰ってさわに報告してさわが察するのか、こういうのはアニメにも有りがちな終わり方だったけど良かった。
この物語に関しては、ノリコに対しても同情出来ないし、サワにも北野先生にも同情出来ない。頭の湧いた人たちが勝手に自爆していっただけという感じだったので、ある意味で不快にならず観ることができた。