開巻間も無くの場面、自転車通学の神木君が走り去った後にカメラがクレーンアップしていくとスクリーン目一杯にどこからどう見ても日本ではないスペインの街並みが広がり、そこに神木君の「ここは杜王町」というナレーションが堂々と被さる瞬間の圧倒的ハッタリ力。
通学路も学校もどこからどう見てもヨーロピアンな空間を学生服を着た日本人達が普通に歩いている、フィクションの世界を堂々と提示する大嘘のつき方。久しぶりに三池監督の「漂流街」イズム（あの映画のOPのハッタリほんと最高だよね）を見る事ができて愉しかったし、この作品の実写化にはそれが必要だったと思う。
対話のテンポが妙にじっくりしすぎているのは三池監督の好み故か。
俳優陣では特に真剣佑が良かった、というか本当は彼が主人公の仗助役を演じるべきだったのでは、と思ってしまう。
他の監督なら大事故になっていた所を、傑作とは言わないが悪くはないレベルで成立させている所に三池組の優秀さがあるとは思うけれど・・盛り上がるのは第2部からだと思うので、次に期待を(果たして2部が作れるのかどうかは別として)。そして是非北村一輝を吉良役に。小松菜奈も活躍は次回ですね。
