TIKO

女神の見えざる手のTIKOのネタバレレビュー・内容・結末

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「良心に従って投票する政治家は報われない。政治家たちが、アメリカの民主主義を蝕んでいる」という最後のセリフがすごく良かった。
伏線(単なる皮肉のセリフだった「007の真似事」が最終的な切り札になっている、ソクラテスの話、「相手が切り札を出してからこちらも切り札を出す」というセリフなど)とその回収が鮮やかで、きれいにまとまっていたと思う。
政治の話が難しくてたぶん8割くらいしか理解できてない。そのせいで十分楽しめない部分もあったので、政治の話への自分の理解力の無さがもったいない
 
「ソクラテスが何も書いていないのにどうやって民衆を惹きつけたのか」という件を入れた効果が上手く作用していない気がする。

[ソクラテスが民衆を惹きつけたのは弟子のプラトンがソクラテスの言葉を書き残したから]
         ↓
[スローンが最終的に国民を惹きつけたのは右腕のジェーンが裏で手を回したから]?
それとも、
[スローンが最終的に国民を惹きつけたのは、エズメが銃乱射事件の被害者として注目されたから]?
たぶん前者が合ってる気がするが、プラトンはソクラテスの功績を書き残した、ジェーンはスローンのスパイとして裏で手を回した、という関係性ではちょっと上手く噛み合っていないような…。「どちらも上の人のために動いた」と大雑把に見れば納得いくのかも。

冒頭で「相手が切り札を出した後にこちらも切り札を出す」と、どんでん返し宣言をした割には予想の範囲内の展開で少し残念。むしろ、終盤の拳銃所持者によってエズメが命を救われる展開の方が、おお、っとなった。
あまりスローンが魅力的には感じなかったが、最後に、逆転勝利!めでたし、な感じで終わらないところは好感が持てた。これは自分が逮捕されたからとかではなく、エズメに対する申し訳なさからだと思う
TIKO

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