“偏る”ことができる人間の強さを観た。あまりにも面白い。
役者の演技と演出構成が上手くて、始終この主人公は違うところに本当の目的があるのではないか…と疑いながら引き込まれていったので、結末は予想していたものそのままであったが、落胆よりも高揚感が残り、カタルシスを味わえた。全部がエリザベスの「演技」に見えたし、自覚できず見逃してしまった演出がまだあるのではないかとドキドキする。
「信念」が理念であると言えば聞こえはいいが、彼女の信念の実態は、報酬系からもたらす感情に基づいたエゴであるように感じた。だからこそここまで強くいられる、ここまで偏ることができるのではないかと思った。全て一人で戦い抜く姿が孤独に見えたが、それが彼女にとっての最高の「カタルシス」なのだろうな、とも思った。
この映画を通して「ロビー活動」というものを初めて知った。世界の解像度がまた一つ上がって良かった。