この映画全体で起こったことは客観的に見ればさして大きいことではないように思う。しかし主人公や周りの人々にとってはそうではない。主人公が悲しんだり嘆くのはほとんどが彼女自身に起因している。自業自得というわけだが、それは彼女は問題のある若者ということを強調したいのだと思った。精神病を患っているという意味ではないが、病の有無に関わらず、誰もが彼女のように目に映るもの全てに攻撃的になってもおかしくない。周りから見れば小さい問題でも当人にとってはとても大きな問題なのだ。悩んでいる人がいたとして、その人の状態を完璧に理解することは不可能だろう。しかし大事なのは自分の主観だけで問題の重大さを決めつけず、できるだけその人の立場になって考えることだと思った。
また主人公役の反抗期のティーンエージャー独特の表情の作り方がすごく上手いと思った。むかついて反抗する顔や素直に喜ぶ大人とは違う可愛らしい表情があり、等身大で生きている若者の良いところも悪いところもうまく表現していて素晴らしいと思った。
