煌

エゴン・シーレ 死と乙女の煌のネタバレレビュー・内容・結末

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

妹から始まって様々な女性をモデルにし、自分自身の芸術を貫いて社会の偏見や抑圧と闘っていく姿は爽快でした。

特にヴァリとの関係。愛は形式付けられるものではないという考えにはなるほどと唸らされましたが、やはり一般論からは逸脱したどこか芸術、哲学的な考えは社会では通用せず。兵役、金銭面の問題といった理想論だけではどうにもならない様な問題によって隔てられてしまう2人。
在り来たりな恋愛映画の様に2人が壁を乗り越えてハッピーエンドという様にはならないところが人間味溢れていて素敵です。
エゴンを追いかけて戦地へ入った彼女からの手紙は「願うなら…」で終わっています。出会わなければ良かった。なのか、幸せだったあの頃に。なのか。余韻の残し方がなんとも言えず隔てられた愛の儚さが強調されていました。

ただ彼の作品というよりは人生がメインで描かれていたので絵を見たい人には物足りないと感じるかも。
煌