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エゴン・シーレ 死と乙女のカントのレビュー・感想・評価

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
3.7
28歳で夭逝した天才エロ画家エゴン・シーレ。エゴン・シーレの絵は芸術かポルノか。そもそも女の裸だけ、なぜ芸術なの?

エゴン・シーレの生きた19世紀~20世紀初頭まで、時代は男尊女卑。卑しい女に教養なんてもっての外!
……なので高尚な芸術とやらは男の独壇場で、女のヌードがもて囃される時代でした。アカデミックなサロンでも「これ女神ですよ」とヌード絵画が氾濫して、エゴン・シーレも、より扇情的な官能=高尚な芸術と思い込んでいたのでしょう。

本作では「死と乙女」の1枚に焦点を当てて、史実を無視した脚色を展開しています。
特に13歳の少女タチアナの一件。本作ではヴァリが擁護して「白」の方向性で描いています。
しかし……興味の有る方は『エゴン・シーレ/夢の中の少女』で検索してご覧なさい。エゴン・シーレが「黒」だと分かります(笑)

▼エゴン・シーレ「夢の中の少女」
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Schiele_-_Die_Traumbeschaute_-_1911.jpg

少女ヌードは現代では非難のマト。つい先日もNYメトロポリタン美術館でバルテュス作「夢見るテレーズ」が少女性愛だ!と撤去を求める署名運動で盛り上がっていました。
だったら!クラナハもアングルも少女ヌード書いてるし、ラファエロも天使のモデルとして幼児のヌード書いてるし、それこそ大半の画家は児童ポルノに抵触していますよ。

その中でもエゴン・シーレの「夢の中の少女」は別格。少女が自身の指で陰唇を拡げて膣を露わにしています。その筋の専門用語で、いわゆる「くぱー」しています。

これに匹敵する芸術は、ギュスターブ・クールベの「世界の起源」や、マルセル・デュシャンの「遺作」など…およそ芸術かポルノか、判断に苦しむ作品も多々ありますが、私はエロスだと思っています。
少子高齢化の今こそ、生殖活動を促して活性化させるエロスが求められています。

▼本作で13歳の少女タチアナを誘拐したとしてエゴン・シーレは裁判官に目の前で自作の水彩画を燃やされてしまいます。
信念で書いた絵が…命を削って書いた絵が理解されずに燃やされていくシーンに涙が止まりませんでした。

インポテンツの盆暗裁判官め!

あと……エゴン・シーレが、ジャポニズムの春画を見て…屹立して脈打つ巨大な陰茎を見て、落雷を受けたような衝撃に出会うシーンも見所。
「夢の中の少女」の“くぱー”なんて比にならないほど、ぐっちょぐちょの挿入絵画は衝撃だったのでしょう。そうすると……よりエロい民族は、ジャポネーズ(日本人)なのかも😅

昨今のコンビニでは春画(エロ本)の居場所が縮小され、マスクされ、滅亡の危機です。
日本の未来を案ずる者として……エロ本の縮小と少子化は正比例している!と偉い学者に論文を発表して欲しい所。
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