くりふ

カプール家の家族写真のくりふのレビュー・感想・評価

カプール家の家族写真(2016年製作の映画)
3.5
【クヌールの逆噴射家族】

IFFJ2016にて。死んだふりとアダルト映画が大好きなお爺ちゃんが、ホントに心臓発作で倒れてしまい、英米に散っていた息子二人がクヌールの実家に帰郷する。で、巻き起こる笑いと涙と絶望のお家騒動。

ボリウッド2016年上半期のヒット作、だそうですが、全体のトーンはいい感じでも、映画の核がつかめなかった。だから歪さをおぼえ、前半とりとめなく、後半あざとく、という受け取り方で終わりました。

いったん復帰したお爺ちゃんが結局は…というラストになって、家族のつながりが復活して…という定番展開かと思ったら、アサッテにいっちゃったことは意外でしたが。

そもそも壊れていた家族関係を、本格的に解体するんですね。で、その先どうなるかが提示されない。ボリウッド映画は、家族という核を常に讃えるものだと思っていたので、ヒットしたのはこのクラッシュが新鮮だったからかなあ、なんて憶測しました。今では珍しくないのかもですが。

ふと山本直樹の『ありがとう』を思い出したのですが、ここまで進めるならいっそ、家族の解散宣言してみればよかったのに。ちょっとモヤモヤする結び。あの後、傷の舐め合いくらいしかできないように思えてしまった。

そんな中でも、ヒロインのアーリヤー・バットちゃんが作中から浮くほど輝きまくって見惚れました。『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』の時はまだ蕾感ありましたが、咲いたねー。今後もっと満開になること期待します。私基準では美女ではないのですが。

例えると誰だろう?…ミシェル・ロドリゲスを女にしたかんじ?(…アレ?)

<2016.10.24記>
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