うまいことやり過ごすはずだった職場の飲み会を、一応は世話になった頭の上がらない上司に半ば強引に丸め込まれ、ウザがらみされた挙句悪酔いをして、なんだかんだでなし崩し的に終電を逃してしまい、なぜかその場の成り行きでまだ終電のあるあまりよくも知らない同僚の住むアパートで一夜を明かすこととなり、さすがに手ぶらではまずかろうと自分なりに気を利かせてコンビニで買ってきたすっかりぬるくなったビールをやけくそ気味に煽りながら、居心地の悪さをごまかしつつ本当は眠いのになんとなく寝ることもできずに、薄暗い部屋で唯一青白く光るテレビ画面に映る一昔前の面白いのかよく分からん妖しげな洋ゲーと青白い光を浴びながら黙々とプレイし続ける同僚の横顔をぼぉーっと眺めているような、そんな気分になる映画。
まあ、これではわからんでしょうが、荒唐無稽具合がゲームシナリオっぽい。登場人物もゲームキャラっぽい。暗号やらアイテムやら町人との会話やらから推理を巡らし、よくわからんまま予定調和的にストーリーが進んでいくさまが、誰かがプレイするゲームを無感情に眺めているような感覚になった(まあ、こうしていったん書き終えたレヴューに言い訳をしてお茶を濁していること自体が我ながら相当にダサいわけではあるのだが…)。