結局どこのシーンをどう読み解くかはだいぶと個人任せな所があると思う本作。
なので、自分は自分なりに受け取ったが基本はサム自身の妄想という事で終わる話だと思う。
あんなに都合よく追いかけて証拠を順番に見つけられるのも、どんどん面白いぐらい暗号が見つかりのめりこんでいくのもまぁ現実的ではないのだから。
特にラストの雑誌とお菓子の地図がピッタリ合うのなんて、それもうちょうどどっちも持ってる人じゃないと無理やん、という。
大まかな事実は
①可愛い女性がいる
②犬で話しかける
(この時点から基本は妄想だと思う。1度部屋に戻りかけてから「飲み物でもどう?」とわざわざそのシーンを入れこんでいる為、事実はそこで終わりなのでは?)
③急な引っ越し。でもサムの中では仲良くしていたつもりだったから追いかける
④ここでだいぶ飛ばすが、ラストの金持ちと結ばれてる事を知り、向こうには「仲良くないよね?」と言われ現実を突きつけられエンド
なのではないだろうか。
実際フクロウの女が部屋に来たとき緊迫したシーンにも関わらず、家賃の請求に大家さんが来たときは中断。
あまりに都合の良すぎる展開。
あと、犬殺しもおそらくサム本人だろう。
「犬=女性」というメタファーはしつこいぐらい演出されている。
その中で本人は犬の餌をポッケに入れていた事がラストわかる。
あのホームレスの王はサム自身の優しい心という存在なのだろう。だから良心の呵責からああいう葛藤があったが最後には改心した演出なのではないだろうか。
だからこそ本人が嫌いだと公言していたホームレスの姿をしていた。
また犬に対しても「幼少期に噛まれてから犬は、、」と話していたり、妄想で犬の餌を拾っていたら怪しい人影に追いかけられた気がした。など諸々そう思えるところがある。
サム自身、なんなら犬殺しだけでなくもしかしてそのまま女性を殺していた糖質の犯人と思って映画を観るとまた違った見方が出来る。
最初の意味深な女性ふたり組への目線や、女性を執拗に追いかけたり女性トイレに入ったりなど。
獲物にしようと思っていた美人が犬を飼っていたから最初はああいう近づき方だった??
考え出したら、どんな受け取り方も出来る。楽しめる。
まさにこの映画を見ている自分がアンダーザシルバーレイクのサムみたいになってしまっていないだろうか??
だからこそ、それを象徴づけるように、最後映画の中から彼が画面を超えてこちらを見つめている終わりなのだろう。