菩薩

いつも明日はある/明日は必ず来るの菩薩のレビュー・感想・評価

4.3
メロい、メロ過ぎる。父が家庭を顧みないでも家庭が父を顧観ないでもない、ただタイミングの問題。人生のタイミングがどうしても合致しなかった者同士が新たなタイミングで邂逅するもののやはり時は既に遅いのである。一直線にしか進めないロボットの様に時は戻らない、ただそこから落下する前に止めることは出来る、無邪気な若者でいられる時期はとうに過ぎたその残酷さ。男性側はキャリアも幸福な家庭も手にしている一方で女性側はキャリアの追求により幸福を限定されてしまっている、そのあたりは前時代的なのかもしれないが、むしろそこをサークは自覚的かつ批判的に捉えていると思った。別離を告げる雨の冷たさよ、あまりにも悲しい慎ましさとポジティブ過ぎるタイトルとのギャップに余計にやられる。
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