転生Moljiana

ザ・テイント 肉棒のしたたりの転生Moljianaのレビュー・感想・評価

3.9
 まさか1年と8ヶ月ぶりの更新ですか……、フォローを外さずにいてくれた皆様に感謝を申し上げると共に一からやり直すべく精進したいと思います……。

 以前から気になっていた怪作の一片、片腕ファルコン兄貴、まっどまっくすこーじ兄貴、TAK44マグナム兄貴と名立たる識者方(全員私の倍は年いっている様な……)の絶賛を受け、Amazonでフランス盤Blu-rayを購入して観てきましたよ。音声はフランス語と英語、字幕はフランス語のみでしたが、まあアーロン・ソーキン脚本じゃあるまいし、簡易な英語のみだったのでなんとかなりました。

 肝心の中身は男根、嘔吐、頭部破壊、脱糞、精液とお下劣要素の波状攻撃。ある日、水道に謎の薬(男根がでっかくなるだけ!)が混入。男性のみが発狂し、何故か女性のみを殺戮する正にポスト・アポカリプス状態、なのに道路では普通に自動車が走っている始末、いや映すなや! そんな中、感染を免れた気弱な主人公・フィルは謎の女性・ミサンドラに出会い、銃を片手に奔走するのでした……。因みに感染状態になった男性はまさかの男根丸出し、岩を両手で掲げ、女性の頭を砕き飛ばします!原始人かよ!

 詳しい概要は識者の方々が解説してくれたので省きましたが、個人的には程よく纏っている印象。男根丸出しゾンビがひたすら女性をブチ殺す姿はある意味爽快感がありますし、「脳味噌鷲掴み」や「顔面の皮剥がし」と云ったゴア描写も振り切っていた為か好意的に楽しめました。終盤、覚醒した主人公が敵の男根を"何故か"優先して撃ち抜くシーンも最高に格好良い。しかしそこから消化不良地味たラストに落ち着くのは少し残念でした。しかし、アメリカ国旗を羽織った主人公が苦悩するというラストシーンにはアメリカ人の根底に蔓延るミソジニー精神を示唆すると共に、実はあの薬は男性を狂わせるのではなく、男性の本性を暴く物なのでは……?と考察出来るのもまた面白く、ハチャメチャに見えて意外と考え抜かれて作られているのだなと関心させられました。輸入盤ホラー及びトロマ映画を観たのはこれが初でしたが、こんなのが新宿のビデオマーケットに山程眠ってるのかと思うと寒気が……。

因みに2012年製作の『ファウンド』というホラー映画で主人公の兄貴(殺人鬼)の部屋に貼ってあるのが今作のポスターです。両者とも近い期間に作らせた作品なので、何か琴線に触れる物があったんでしょうねー。
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