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ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のreitoのレビュー・感想・評価

4.6
美しくも危ういタトゥーだらけの天才バレエダンサーのドキュメンタリー。幼少期のホームビデオから、本人や家族、友達のコメントまで、素材のバリエーションが本当に豊かであり、それでいてストーリーとしても感情を揺さぶってくる。登場人物達の魅力はもちろん、裏方の制作者達にも賛辞を贈りたい。

欲を言えばエンドロールの選曲がセルゲイの人生に比べて呑気なトーン過ぎたのではないかと感じた。Lykke Liもあの曲も大好きだし、CDも持っているけど、Danceについて歌っているからとか、作者の趣味だとかならば安易だと思う。挿入歌としてならばピッタリだけど、最後にはマッチしてなかったんじゃないかな。

子を想う親の気持ちや期待、セルゲイのダンスの素晴らしさ、未だにあどけなさが残る素敵な笑顔と舞台裏の苛立ちや焦り、若き天才に騒ぐ世間、その全てが演技ではないというリアリティの重さがとても魅力的でした。
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