にゃんにゃん

少女暴行事件 赤い靴のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)
4.4
両親の離婚で茨城から、ベランダで神宮球場の試合がっつり見えちゃう東京どまんなかに連れてこられた女子高生井上麻衣。もちろん東京には居場所なんてなく、週末は茨城に帰って地元の彼氏や不良仲間と遊ぶんだけど、やっぱりだんだんと茨城でも居場所をなくしていく。お父さんもお母さんも、決して悪い親ではないんだけど、もう高校生なんだから自分でちゃんとやりなさいってスタンス、お父さんとボートに乗りながら将来を諭されて脳みそスパゲッティになる。真綿で首を絞めるようにじわじわと迫りくる、気付かないふりをしてもずっと眼前に突きつけられる、孤独孤独孤独。新しい居場所を見つけようと心機一転茨城を出たところで転調、最後に消えかけの花火のように輝いて、ふっと消える。傑作だー。私のオールタイムベストのひとつ、「母娘監禁・牝」も茨城だった。夕日の河川敷での後ろめたいセックスとか、彼氏との別れ覚悟したエモすぎるセックスとか、濡れ場のひとつひとつにきちんと意味があって、印象に焼きつく。泣けたわ。いい映画観た。ロマンポルノの、20本に1本くらいの確率でぶち当たる傑作発掘作業が楽しすぎたこの数年、だいぶ一通り観てしまったし、「密猟妻奥のうずき」を観てなんかもうこの発掘作業に満足してしまっていたんだけど、まだまだ傑作はあるんだなー。これからも頑張って掘ろう。あとで調べたら助監督金子修介がこの映画や上垣監督のこといっぱい愚痴ってて面白かった。
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