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人生フルーツのいのレビュー・感想・評価

人生フルーツ(2016年製作の映画)
4.3
いい映画観たな〜〜〜〜〜〜


仕事柄お年召した人と世間話することが多いのだけど、だからこそ、決して特殊な事例を切り取ったドキュメントではないのだと思う。
もちろん、おふたりの暮らしっぷりは(いい意味で)極端なところはあるのだけど、この年代の人って、多くがいわゆる「丁寧な暮らし」「スローライフ」を平然と、さも当たり前にやっているな、と思っていて。それは多くの若い世代に到底できないことで。

そう考えると、このたかだか1,2世代の間に我々が失ったのは何なんだろうか。
その喪失の1つの起点として、ニュータウンがシンボリックに現れる。人間らしさと経済の対比。
シンボルとしてのニュータウンに対抗的な意味を持つ里山を、敢えてニュータウンの中に造る、ある意味で孤独な闘いをする夫婦の話とも捉えられる。(もしかすると、それは後悔を伴っているのかも)

高度経済成長を経て、その中でニュータウンの建設も相まって、日本人は豊かになってきたのだろうけれど、
でも人間らしさと経済の対比は、人間らしさと豊かさの対比ではない、と思った。



ま、ともかく皆チャーミングで良かったのだ。
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