2024年 / 10本目
流れるモノクロの予告を見てなんとなく鑑賞したけど、登場人物はたったの3人で、延々と会話だけが続く物凄い人間臭い映画だった。
偶然の再会をきっかけに、コーヒーを飲むところからスタート。どちらかだけの考えを一方的に押し付ける事はないけど、すごく感情的なシーンもあったり、それを見つめる冷静なシーンもあったり、あの時の別れてしまった理由をどこか頭の隅っこに置きながら、お互いを確認しあうように楽しんで、振り返って咀嚼して、最後に流れた涙が20年越しに曇り空から太陽が覗いたような、そんな風に見えた。
鬱であるアマンダが告白する、日々生きている中で、理由は分からないけど悲しいってのが凄く刺さった。そこそこ順調に進む周りがどう見ても幸せそうな自分と自分自身が感じている自分の差って意外に大きくて、この社会ではそういう幸せだったり強い自分を演じなきゃいけない時もあったり、弱音がわがままだと思われることも少なく無い。頑張るし、一生懸命するけど、その周りと自分が思う差を埋めるのって無理なんだよね。誰にも言えない事を言える人こそ、人生においてたった一人必要な存在なんだろうね。