スローターハウス154

ブルー・ジェイのスローターハウス154のレビュー・感想・評価

ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)
4.0
2020/4/29

“But I'm a creep, I'm a weirdo.”
地味でキモくて情けない生き様を生きてきて...そしてまた人生は続いていく...。そんな、人ごととは思えないようなホロ苦い人生をひっそりと映画化してくれるマーク・デュプラス。彼の作家性が光る一作だと思います。『パドルトン』もまた隠れた名作なので、地味でキモくて情けない人生を自覚している人にはそちらもオススメです。そういった人生を否定も肯定もせず、ただ優しく受け入れ、物語として描く彼は、きっと聴き上手な方なんでしょう。

以下軽いネタバレとして抵触する可能性のある考察...
きっとこの2人は、今後結ばれることはないんじゃないかな。男の方は、彼女を愛している以上に言うべきことを言えなかった悔いのために、いつまでも引きずるハメになったのではないかと。こうして概ね和解を果たしたラストを迎え、過去を清算できた面は大きいと思われる。今後彼女とは、適度な距離を保った友人として付き合っていきそうな気配を感じました。

そしてやはり、妊娠を望まぬならゴムはつけるべき、というのは男女の関係における掟と言えるだろう。